2023/04/12 19:46

「あれ、これって新茶?」


この日は、お客様をお招きして、お茶を飲みながら、世間話。
そんなときに出た言葉。

春風のような爽やかな味わい。体の中を新緑の香りが吹き抜けます。そう、まるで新茶。

でもこれは昨年のお茶。




春を迎え、昨年のお茶も喜んでいるようです。

そういえば小川八重子さんも「茶の若返り」と称して同じことを言っています。
「春のお彼岸がすんで、桜の蕾がふくらんで来る頃、お茶は自然の移り変わりに同調するかのように、自ら、新茶の香りを出すようになります。(中略)5月中旬に、成熟した芽で作られたお茶は、蒸し暑い夏を越して、熟成し、きびしい冬の試練にあう頃は、芳しい香りとほのかな甘みをだします。そのお茶が、春になると若返り、再び新茶の味にかえるようです。
 寒中のお茶の色は、美しく澄んだ琥珀色でしたのに、それが、春を迎えると、不思議なことに、青みをおびるようになります。冬にかもし出されていた熟成のあの香味は消えて、青臭い香りと、ほのかな苦味が復活してくるのです。
 人間よりもずっと几帳面に、季節のうつりかわりの細やかな動きに反応しています。"お茶は生きている"のです。」
朝日くらしの風土記 くつろぎの茶 昭和57年10月1日発行より

これは「天然茶」のお話とも記されています。

それって在来?自然栽培?どちらにしてもドントコイです。

また小川さんは触れてはいませんが、これに加えて重要なのは水です。

井戸水など天然のお水も、茶と同じく季節のうつろいを映すもの。茶と水が合わさってこそ味わえるものだと思います。

さあ、若返りのお茶、この機会にぜひお買い求めください。この味は今だけです。