2022/06/04 17:00
<新茶の販売は11月頃です>
今日はそんな新茶の販売についてお知らせです!
販売時期は11月頃を予定しています。しばしお待ちください。
手摘み煎茶(在来・農薬肥料不使用・梅ヶ島産)
手炒り釜炒茶(在来・農薬肥料不使用・梅ヶ島産)
<なんで11月から?>
新茶はできてすぐ飲むもの、と思われている方も多いと思います。
実は、新茶はもともと秋になってから飲むものでした。
茶道では、「口切りの茶事」というのが11月にあります。
新茶を茶壺に詰めて封をし、夏を越して秋になってから初めて新茶をいただくのです。
そのため「茶人の正月は11月」なんて言われたりもします。
夏の間は去年のお茶を飲んでいるんですね。
またとある昔のお茶の雑誌にて、京都の老舗茶舗の社長が「新茶は秋に売る」とおっしゃられています。
<なんで今と違うの?>
なぜ、昔は秋から新茶を飲み始めていたのに、いまでは新茶を4月から飲むようになったのでしょうか。
それは夏を越さずに飲んでも美味しいから、むしろ早く飲んだ方が美味しいから、そういうお茶に変わったからだと思います。
そうなった理由の一つとして考えられるのは、栽培方法の違いです。
昔(江戸時代以前)はお茶にやれる肥料は限られていました。基本は茅草、人糞です。時々魚。
しかし今では化学肥料や有機肥料など、肥料はたくさんあります。こうした肥料は昔と比べてスタートダッシュが効きます(葉の成長が早いです)。
肥料の力でグングン伸びた新芽は、肥料の栄養がたくさん含まれ、力ある味わいになります。
しかし、その肥料部分というのは腐りやすく、秋には味が持ちません(個人的な感想)。
結果として、新茶を早く飲むのが美味しい、という状態になったのではないかと思います。
さて空洞庵のお茶はどのように育てているのかというと、肥料を使用していません!(部分的茅草。)
つまり口切の茶事が考案されたときと似たようなお茶作りをしているのです。
合理的なお点前をする茶道が、意味のないことをするとは考えにくいです。
つまり肥料のない時代のお茶は、秋になってからでないとお茶を十分味わえない、と考えていたのではないでしょうか。
というわけで、空洞庵のお茶も夏は寝かせ、秋から新茶の販売をすることにいたしました。
新茶の販売開始までは、去年のお茶をお楽しみください!
<春~秋の味わいの変化を体験したい方>
最後に新茶の味わいの変化を体験したいという方は、空洞庵までご連絡ください。
一緒に江戸時代のお茶を探求しましょう。
※味が全く変わらない可能性もございます。
去年のお茶はこちら↓
上に書かれたことは、茶道や雑誌を参考にしている部分もございますが、それ以外は空洞庵の考える仮説や主観的感想であり、科学的根拠があるわけではありません。いろいろな考えがあると思いますが、空洞庵はこう考えるということでご理解の程、よろしくお願いします。
またどのようにお茶を寝かせるのかということも、とても興味深い点ではあると思いますが、それは別の機会に触れたいと思います。
何かご意見がございましたら、忌憚なくご連絡ください。
最後に、新茶作りにご協力いただきました多くの方々に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。